注意:
特殊カプのその後というか、その設定がZSなので、SZ以外が駄目な人は読まないようにしてください。
※エ〇くはないですが、ちっすぐらいはしてます※
たぶん、ウチのSZで書いてもシチュ的にこんな感じありますけど、一応駄目な方は避けてください(汗
(EGOの小話になります。)
カチカチカチと規則正しく刻まれていく音に耳を傾けていた俺の正面に不意に影が差した。
「あっれ?クソ剣士、出てったんじゃねえの?」
サラリと太陽光を反射して輝かせた髪に目を向けて、俺は手にしていた懐中時計の蓋をパチリと閉めた。
「いったん出たが、もう用はねえ。」
芝生の上にゴロリと寝転んで、頭上から覗き込んでくる恋人に軽く手をあげて手招く。
「そっか、それなら留守番してもらってて、俺は買出しに行ってくるかな~。」
カツカツと軽い靴音を響かせて階段を下りてきたサンジが笑いながらそう話しかけてくる。そして俺が手招くままに素直に横に腰を下ろした身体を腕を伸ばして引き寄せた。
「なっ、なんだよ、ゾロ。」
「んーっ?まあ、ちょっとな。」
カチカチカチ。耳を閉じても聞こえる規則正しく時を刻む音。
「ちょ、ちょっと、俺は買出しに。」
「んー?あとで付き合ってやるから、今は付き合え。」
温かいサンジの身体を芝生の上に押し付けて、剣を含んだ眼差しに宥めるように声をかけ、薄く開かれた唇を己の唇で塞ぐ。
「・・・絶対・・・手伝ってもらうからな。」
「ああ。約束する。」
チュ、チュッと軽い音を立てて唇をついばみ、徐々に背中に回ってきた腕に俺はふうっと大きな息を吐き出した。
「それ、壊れてるんだろ?」
いつクルーが帰ってくるか分からない中で、手っ取り早く快楽を極めて、それぞれにゴロリと芝生に横になる。無意識にか取り出した時計を手で弄んでいたらしい俺にサンジが不思議そうに問いかけてきた。
「・・・ああ・・・。」
銀色に輝く懐中時計。傷だらけのそれはピクリともその針を動かすことはない。
「ウソップでも直せなかったんだよな?フランキーには頼んでみたのか?」
「いや・・。」
ヒビの入ったガラスも、文字盤を指す三本の刀を模した針も、ただこうして俺の手の中にあるだけで、時計として本来の役目は果たしていない。
「それ、大事なものなんだろう?」
サンジの蒼い瞳を静かに見つめ返して俺は鈍く輝くそれへと目を向ける。
大事なものだ。
確かにこれは大事なものに違いない。
「だったらさ・・・。」
「いいんだ。」
「ゾロ?」
「こいつはこのままでいいんだ。」
もう一度だけ傷だらけの懐中時計を見つめ、俺はフッと唇に笑みを浮かべた。
あれからどれだけの月日が過ぎた?
仲間と別れ、仲間が増え、どれだけの冒険を重ねてきただろう。
あの日、消えた俺を思ってお前は泣いたか?
「このままでいいんだ。」
カチカチカチ。規則正しく時を刻む音が聞こえる。
俺が生きているこの世界にお前の時を刻む音が。
~END~
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あのラストから数年後?って感じでしょうか?(^^
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